「第一話漫画賞」受賞者インタビュー|「遅くとも“咲きたかった”」脱サラ38歳が退路を断って勝ち取った“夢”「第一話漫画賞」受賞者インタビュー|「遅くとも“咲きたかっ た”」脱サラ38歳が退路を断って勝ち取った“夢”

COMIC ROOM BASE
「第一話漫画賞」受賞者インタビュー|「遅くとも“咲きたかっ た”」脱サラ38歳が退路を断って勝ち取った“夢”
ついに「第一話漫画賞」の受賞者第一号が決定! 

その作品の名は『ナイトウォーカー』(あだち先生)。

商業経験なし、アシスタント経験なしの38歳のあだち先生が、会社を辞めて不退転の覚悟で臨んだ結果の受賞となった。

本記事では、あだち先生に「第一話漫画賞」を知ったきっかけや、漫画家になりたいという思い、賞の特性を分析して工夫したこと、今後の展望などを聞いたぞ! 

なお、「第一話漫画賞」はまだまだ作品を募集中!! 応募を検討している方は、記事を最後まで読んでほしい。

記事の末尾には受賞作の『ナイトウォーカー』が読める作品ページリンクも掲載!
記事を楽しんだ後は、是非作品もご覧になってみてください!

応募のきっかけは坂本編集長のポストに感じた“熱”

――あだちさん、「第一話漫画賞」の受賞おめでとうございます! 10人の受賞枠があるなかで、1人目の受賞者となりました。
ありがとうございます!!
――あだちさんが「第一話漫画賞」を知ったきっかけは、どのようなものでしたか?
仲のいいゲーム友だちに実は漫画を描いているんだと話していたのですが、その友だちから「こんなの見つけたよ」と教えてもらいました。
それからXのアカウントをつくって、坂本裕次郎さんのXのポストとCOMIC ROOM BASEでの応募概要の記事を見た、という流れです。
▲『ナイトウォーカー』の一場面。「新たな夜の王」とは……?
――賞の概要を読んで、すぐに応募しようとなったのでしょうか。
いえ、それが最初は前向きではなくて。
漫画家を目指している人って、若い内から本気で漫画を描いているイメージがあったので、この年齢で応募しても冷やかしというか迷惑になるんじゃないかと思ってしまって。
――逆に言えば、年齢は関係ないということが証明された賞でもありますね。でも、そこからどうして応募しようと心変わりしたのでしょうか。
坂本編集長のXで、「第一話漫画賞」の“中間発表”という漫画のポストを見たからです。
そこでは、まだ受賞作が出ていないこと、光るものがある作品は編集部が手直しをして伴走してくれるということが描かれていました。
もし、プロの人にアドバイスをもらえたら、それだけで儲けものだと感じ、思い切って応募したんです。
落選してもともと、という気持ちで深く考えずに送ってみればいいじゃないかと。
▲あだちさんが見たというXのポスト
――受賞作の『ナイトウォーカー』は、そのポストを見てから描き上げたんですか?
以前、別の賞に出した作品です。ただ、「第一話漫画賞」に出すにあたって、世界観から大幅に練り直しました。内容は、以前のものと全く別の作品と言えます。
――そうなんですね。コミックルームのことはご存知でしたか?
大変恐縮ながら、存じ上げませんでした。ただ、坂本編集長の漫画から“熱”を感じて。この人たちと一緒に漫画を描いていくことができたらいいな、と思いました。

会社を辞めて2年間は独学で漫画を猛勉強

――漫画家になりたいという気持ちはいつからあったのでしょうか。
漠然とした思いは小学生の頃からあったんですけど、本気で目指すようになったのは2年前なので、36歳の頃です。勤めていた会社を辞めました。
――相当な人生の決断ですよね。何があだちさんをそうさせたのでしょうか。
営業職だったんですけど、このまま「漫画家になりたい」という思いを無視して働き続けることに限界が来たんだと思います。なので、特別なきっかけがあったわけではありません。
――背水の陣ですね。
中途半端にやるくらいなら、しっかりやり切りたいと思ったんです。
僕って、人と比べても得意なことがなくて、周りが簡単にできることも時間を掛けないとできないんです。
でも、唯一、学校の先生に褒めてもらえたのが絵で。絵を描くことは好きでした。
それでも、僕より上手な人は周りにたくさんいました。
▲『ナイトウォーカー』の一場面。この少年は一体、何者なのだろうか
――学生時代は漫画家を目指していなかったんですか?
家庭の事情で早く仕事をしてお金を稼ぎたかったので、いわゆる「好きを仕事にする」という考えは一切ありませんでした。でも、漫画を読むのは社会に出てからもずっと好きでした。仕事が大変だったので、ある種の清涼剤みたいになっていた部分もあると思います。なので、自分も同じようにしんどい気持ちになっている人に楽しい思いをお裾分けできたらいいな、と「漫画家になりたい」という気持ちをささやかながらも持ち続けていたんだと思います。
――そうだったんですね。
「漫画家になるなら年齢的にギリギリなんじゃない? やるだけやってみなよ」と周りに背中を押してもらえたのが、ターニングポイントだったかもしれません。あとは、最近好きになった漫画の主人公が遅咲きという設定で。スタートダッシュできなかった人たちが、出遅れながらもめちゃくちゃ頑張って成功していくという物語に感銘を受けたんです。自分もまだ間に合うかもしれない、と。
――それでも、勇気が必要だったのではないですか?
めちゃくちゃ怖かったです。受賞した今でも怖いです。でも、出遅れた分、中途半端に走ったのでは絶対に追いつけないと思ったので、全力疾走する覚悟でした。会社という逃げ場があると、走り切れないのではないかという懸念もありました。だったら、退路を断ってしまおうと。
――漫画は描き続けていたんですか?
イラストは描いていたんですけど、どこかのサイトやSNSにアップするでもなく……。漫画は描き方がわからなくて、描いたことがありませんでした。でも、会社を辞めてからは独学で勉強しました! 売れている漫画を片っ端からチェックして、絵の構図や物語の構成を自分なりに分析しました。
――え、ちょっと待ってください。もしかして、『ナイトウォーカー』が処女作だったりしますか?
はい、そうです。
――ものすごいことじゃないですか!
でも、この2年間で完成しなかった漫画が山ほどあるので。第一話を描き切ったのが、初めてというだけなんです。

「第一話漫画賞」で工夫したのは“冒頭4ページ”

――「第一話漫画賞」は第一話を投稿して、受賞すればそのまま連載という内容の賞です。この特性に合わせて工夫したことはありますか?
最初の4ページで「ここからどうなるんだろう?」と目を引くものをつくろうという点は、とても意識しました。今、世の中にはたくさんの漫画があるので、注目を集めるための勝負が4ページ目くらいまでなのかなと思ったんです。
序盤に気になる展開を持ってきて、そこで読者の興味を引けたなら、次は世界観を表現するキーワードをあえて説明を出さずに出して、
「ここから、どんな風に世界が広がっていくんだろう」と読み手に想像してもらえるように意図しました。
――そういう工夫があったんですね。ところで、受賞の連絡をいただいた際は、どんなタイミングだったんでしょうか。
応募してから数日というタイミングでした。「ここはこう直したほうがいいですよ」的なアドバイスをいただけるお話なのかなと思って電話に出たら、どうも雰囲気が違うぞと感じました。坂本編集長だけでなく、副編集長の方とも電話で話させてもらって、
気づいたら
「おめでとうございます」という話になっていた記憶です。
――坂本さんからは「『ナイトウォーカー』は手直ししていないんです。面白ければ受賞できる、を体現した作品です」と聞いています。
おぉ……!
――坂本さんには、事前にあだちさんの魅力をお聞きしていて。そうしたところ、「絶対にプロだと思った」と。「でも、応募内容を見ると商業経験なし、アシスタント経験なしと書いてあるので何者だろうと思った。バックボーンを聞いて、すごい覚悟を持った人が受賞となったことで、賞に意味を持たせてくれた」とも言っていました。
ありがたいです……! ありがとうございます!!
▲坂本編集長の中間発表(その2)の漫画でも驚きに包まれる編集部の様子が描かれた
――坂本さんからは、受賞時にどんな言葉を掛けられましたか?
一番印象に残っているのが「漫画界の高尾山ではなくて、富士山を目指しましょう」と言われたことです。「日本一の山を登るつもりで、めちゃくちゃ面白い漫画を描いてやりましょう。富士山は世界一の山ではないけど、漫画の世界で言うなら日本一は世界一を意味するんです」と。
――すてきな言葉ですね。
ですよね。「エベレストを登るも同然です」と言われました(笑)。こんなに人から期待されたことがないのでプレッシャーもありますが、「書店であだちさんの単行本と、あだちさんが好きな漫画家の単行本のどちらを手に取るかは読者が決めます。好きな作家さんと同じ戦場に立てることを楽しんでほしい」とも言われました。誰にでも見られる景色ではないので、ワクワクしています。
――コミックルームの代表である石橋さんも太鼓判を押したと聞いています。漫画で結果を残してきた人たちが認めるということは、第二話以降も読者を楽しませてくれるだろうと判断したそうです。
期待を裏切らないように、読者の人に楽しんでもらえる作品をつくっていきたいと思います。
▲『ナイトウォーカー』の一場面。第一話の公開をお楽しみに!

まずは応募してみるという気持ちが大切

――そういえば、副賞の100万円は何に使うか決めているんですか?
え、100万円!? そうでしたっけ!? ……あ、そうでした!! すっかり忘れていました。液タブを買い換えたいです! あとはアシスタントさんを雇ったらお金も出ていくでしょうし、漫画づくりの資金にしたいです。
――いいですね! あだちさんの背中を押してくれた人たちも受賞を喜んでいるんじゃないですか?
それが、実はまだ教えていないんです。ここまで来たら、「連載始まったよ、読んでね!」って言おうかなと。あとは、正直、まだ実感がないというのもあります。夢じゃないよな、と朝起きて坂本さんからのメールを見返して安心する、みたいな(笑)。
――最後に、あだちさんのように「これがラストチャンスかもしれない」と思っている方に向けて、メッセージをいただけないでしょうか。
僕はまだ何も実績を残していない人間なので、偉そうなことは言えません。
でも、
とりあえずやってみる、応募してみるっていうことがめちゃくちゃ大切だなと思いました。才能うんぬんという部分は、僕は全然自信がないんですけど、全力を出してみたら評価してくれるところもあるんだとわかりました。
なので、まずはチャレンジしてみること、本気でそれをやること、あとは自分を受け止めてくれるところを探すことが大事なのではないでしょうか。僕にとっては、それが「第一話漫画賞」でした。
取材・文=株式会社編まれた糸をほどいて
次は、あなたの番です。
経験も、年齢も関係ありません。 必要なのは、たった一話の「面白い漫画」だけ。
締切の【2026年3月31日】まで、残りあと1週間となりました。
「まだ納得のいく出来じゃない」
「自分なんかが送っていいのだろうか」
もし今、そう迷っているなら、思い切って私たちに原稿をぶつけてください。
荒削りでも構いません。
COMIC ROOM BASE主催の「第一話漫画賞」は、最終日の最後の一秒まで、あなたの挑戦を本気で待っています。
ここからの1週間が、あなたの未来を変えるかもしれない。 読者を熱狂させる漫画を、私たちと一緒につくっていきましょう!
<応募概要はコチラ>
https://comic-room-base.com/episodes/284381369fc9e
<ナイトウォーカー(ネーム)の作品ページはコチラ>

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